イタリアワイン業界自体の将来を背負い、世界各国を飛び回っていたヴィットリオ・フィオーレ氏でしたが、1978年、病気がちだった妻の体調を思い、環境の良いトスカーナに移り住むことを決心。それまで積み重ねてきた経験と知識を集約させた自身のワインを造るべく畑を探し始めました。
1991年、グレーヴェ・イン・キアンティ地区、ルッフォリに理想の畑を見つけ出しました。その名が「イル・カルボナイオーネ」だったのです。
フィロキセラを経験し、第一次世界大戦後初めて植えられたサンジョベーゼがこのスカレッテの地と言われています。その当時から残っていた古木が大切に守られ、今ではほとんど栽培されていない伝説とまで言われたサンジョベーゼ種のクローン「サンジョベーゼ・ディ・ラモーレ」のオリジナルが現存していたのです。
フィオーレ夫妻はこの小さな農園を購入。そして、集大成ともいえるワイン「イル・カルボナイオーネ」を完成させたのは、翌1992年のことでした。
サンジョベーゼ100%
醗酵:ステンレス・タンク/主醗酵後、ステンレス・タンクとセメント・タンクにてマロ・ラクティック醗酵
熟成:オーク樽熟成 15カ月(70%が350L、30%が225L、新樽比率35% 一年使用樽65%)
瓶熟成 8カ月以上
チェリー、ブラックベリー系の香り、アーモンドや鉛筆のニュアンスを感じ味わいは長く広く口内に広がる。隙間ないタンニンが余韻となって続きます。早くから楽しめるヴィンテージです。(輸入元資料より)
2019年ビンテージ
クラシックなビンテージと言えます。春の始まりは穏やかで乾燥しており平年より早い発芽、しかし春後半にはまとまった降雨があり充足な土中水分蓄積に貢献、夏への準備は万全の状態で初夏へ。夏は平年並みの暑さで降雨は少なく9月に入り夜の気温が低下、アロマ形成や酸などバランスの良い理想的なブドウ成熟を促しました。